天動説

太陽が照らしてくれるのを待っている。まるで天動説のよう。

自分たちの住む星地球を中心に据えることを前提とした仮説「天動説」
幼い子どもは、一人称視点でしか物事を捉えられず、他者の視点を持たない。明確な意思表示をすることもせず、誰も気づいてくれないことを誰かのせいにしてただ泣き叫ぶ。

周囲が自分を中心に動くことが当然と疑わないその様子は、天動説の捉え方に似ているとは思いませんか。
次第に他者の視点を手に入れ、自分の側が回転しているのだと気づいたとき、人類は地動説という考え方を手にしました。それが大人になるということなんだと思います。  
傷つく覚悟も助けを乞う勇気もないにも関わらず、なんで孤独なんだろうなどと思ってしまう自分は、まだ未熟で、天動説から抜け出せていない。

一方で、地動説が全身に染み付いてしまうのも恐ろしいと思うのです。
太陽という恒星を中心に僕らはただ敷かれたルートを回るだけ。
光のために奴隷のように働くことが美徳とされる現代社会によく似ている。

だから僕は、未熟であると自覚した上で、ただ天動説を信じたいと思う。
やっぱり勇気のない自分は、結局太陽が照らしてくれるのを待つしかないのだ。

(※あくまでも比喩の話であり、コペルニクスを尊敬しています)

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